伊賀崎に御座います。逸品と言われる物はそこら辺が絶妙なんでしょうな…
紫陽花や花菖蒲が花真っ盛りの中、今年は梅雨や長雨が無く、濡れた花弁を愛でつつちょいと一杯って訳にいかず、少し残念な伊賀崎に御座います。
先日、空梅雨であるなら、と、少し足をのばして、前に日常手記でもお話させて頂いた古田織部様の興された織部焼を見に行っておりました。
味な形と素朴な地に、釉薬の色合いの組み合わせがなんとも…
特に青の釉は火力や量によっても発色が微妙に異なりましてな。
一つ一つの味わいが、他の物を上に乗せた瞬間、全く別の物になる。
逸品と言われる物はそこら辺が絶妙なんでしょうな…
なぜにこの様な話かと申せば、私等隠密隊もご贔屓様から心のこもった文や品を頂戴する事が多々あり、その中に私好みの、さ…いえ、様々な飲み物などがありますれば、ついつい
「あぁ、あの場所であんな器にこの飲み物を満たし、グイと飲み干したら、愉悦の極みでありましょう」
などと夢想してしまい、そんな事を考えておりますれば居ても立っても居られなくなりましてな、手頃な器を求めてさまよってしまい申した。
味に合わせて、季節を、場所を、器やつまみを変えていき、同じ物でありながらその変化を楽しむのも酒の楽しみ方でありましてな…。
そんな私も隠密隊では青色の襟を頂戴しており、この様な例え話をしますと、私は本当に織部焼の如く色艶を出せているのか?心配になり申す。
保長様と合わせた時、正成殿と合わせた時、百地様や正重、木猿、魔矢、霞、伴殿と合わせている時、皆様にはどの様な色で私は映っているのでしょうな…。
隠密隊各々が色を持っておりますれば、各々の色とその合わせによって逸品なる器を目指していきたいものに御座います。
さて、きたる6/25(日)にはナディアパークにて徳川隠密隊結成二周年記念イベントを催します。
この日は今までに無い最多7忍の出忍、様々な色の組み合わせをご用意しておりますれば、きっとお好みの器も御座いましょう。
さりとて、折角の宴なれば、器だけ眺めていては興も冷め申す…。
ここは是非、皆様の溢れる思いを注ぎに来て下さいまし。
良き器、良き酒にてこの道順を酔わせて下さいませ。
共にグイと飲み干せば、宴も更に熱を帯び、共に愉悦の時を過ごせましょうぞ。
今後も皆様の良き器であらんとす隠密隊をどうぞご贔屓に…。
伊賀崎道順