伊賀崎に御座います。『手羽先サミット』に参忍しておりました。
毎度いきなりご無礼をば伊賀崎に御座います。
先立ての6月9日10日11日は、全国の腕自慢の手羽先店様が味で日本一を目指す合戦『手羽先サミット』に参忍しておりました。
後程、聞きますれば延べ来場者数12万2千人だとか…
動員12万人もの合戦と考えますれば、その規模がいかに凄かったかを物語っておりますし、その様な桧舞台に携われた事、大変光栄に思い、またご来場頂けた皆々様には心より御礼申し上げます。
先程、例え言葉として桧舞台などと申しましたが、私ら徳川隠密隊も実際に舞台にて演武を披露させて頂き、沢山の方々の食のつまとして花を添えていれば幸いに御座います。
食と言うのは人の営みの根本にして原則なれば、色々な例え言葉として使われる事があり、舞台の上でさえも「食った」「食われ」や「呑んだ」「呑まれた」なんて言葉もよく使われます。
私などはどちらかと言えば「どうぞ美味しく召し上がって下さいまし」と言った性格ですので、この様な食の祭りではむしろ手羽先の様な面持ちになってしまいます。
まぁ強いて手羽先と違う所をあげるなら私の戦い方『後之先』の様に「(後々、毒にうなされるお覚悟がありますれば)どうぞ美味しく召し上がって下さいまし」と言った感じになりますが…
などと気取った所で、せいぜいは消化不良の食あたり程度の力量なれば上忍の方々や各地の手羽先店様の様に、その味で以て人々を虜にする!ぐらい精進せねばなりますまいな。
さてさて、然るに場も盛り上がって、熱気を増してきた大団円前になりますれば、周りの空気に呑まれたのか、私の中の『雄』が黙って居れなくなりましてな…
最後の演武などは、後之先(カウンターアーティスト)を目指すものとしてあるまじき、
「すべてを食らいつくし、すべてを飲み干してやる!」
なんて息巻いてしまい、己の未熟さを恥じております…
はてさて、そんな一面は皆様のお口には合いましたでしょうか?
今後も皆様の心の栄養とならんとす隠密隊をどうぞご贔屓に…
伊賀崎道順